サックス

2023年9月18日 (月)

The Martin Alto、今日も調整中

私は、自分で楽器の調整をするので、いつも調子が今ひとつです。

最近、オクターブ上のレからソの辺りの音が出にくく、明らかに演奏にも影響しています。

エアコンによる乾燥で、パッドに隙間ができているのか、とおぼろげに考えていたのですが、冷静に考えてみると、それならばオクターブ下でその影響は大きいはずです。

サックスにはオクターブホールが2つあり、1オクターブ内の低音と高音で分担して開閉し機能します。注意深く各部の動きを観察すると、低音位置でも高音用のホールが僅かに開いているようです。どうやら、オクターブキー本体裏側のコルクのストッパーがへたり、深く押されすぎているようです。そこで、厚さ1mm程度のコルクシートを貼り付けました。

接着剤硬化する前に軽く試奏した感じですが、多分、改善したようです。

Themartinoctabkey

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2019年11月 5日 (火)

The Martin 調整中

  我が愛機のThe Marin Altoは,必要に応じてその都度調整していますが,最近,右手の各キーの開き(高さ)がだいぶ大きくなってきたのが気になっています.

  キーの開きが大きいと,音の抜けは良いのですが,キーを押す距離が大きくなり操作性は低下します.
  抜けが悪くならないギリギリの高さに調整されているのが理想です.
 
  これはどうしても調整が必要という状況ではないのですが,少しばかり意を決して,作業に着手しました.
  The Martin の場合,キーの開きは,管体に着地するキーの足に付いたコルクの高さで決まりますので,それを適正な高さの新しいものに取り替えれば良いのです.
 
  作業を始めたところ,パッド(タンポ)の一つがずいぶん古く(おそらく楽器製造時の1949年につけられたもの),また,これまでの調整経過を反映して複数種のパッドが付いています.パッドの交換をしたところで,ここで,パッドを全て同一の銘柄に取り替えようかと,余計なことを思いつき,とうとう実行に移されました.
 
  パッドの交換自体は,たいした手間ではありませんが,コルクの高さが変わり,パッドの厚さが変わり,パッドの傾きやリンクの調整など,その後の作業が手間取ります.
 
  時間と忍耐力の投資が必要な作業ですが,いずれも,なかなか余裕がなく,少しずつ苦しみと楽しみが共存する 作業を続けています.
 
  この間,同じモデルの影武者が出番となっています.


Martinreparing

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2015年10月18日 (日)

バリトンサックス

 先般,バリトンサックスを購入しました.

 アルトと同じマーティンのバリトン"The Martin Baritone"です.

 シリアルナンバーも所有のアルトに近くやはり1950年頃の製造です.

 音域はLow Bbまでで,最近のLow Aまででるモデルに比べると管長が短いものです.重さがどうなのかは分かりません.おなじみジェリー・マリガンはCONNの楽器でやはりLow Bbのモデルでした.

P1020170


 やはり,キーの配置は人間工学的ではなく,特に手の小さい私には,左右とも小指がなかなか届きません.

 楽器は頑丈な重たいケースに入っておりましたが,とても持ち運べないので,ギグバッグも購入しました.

 デンバーにあるAltieriという楽器バッグのメーカーのものです.

 Low BbのThe Martin Baritonにぴったりの形です.

 床に置いてある姿は,ワニ?か犬のミイラ?の様な感じです.

 とても軽くて,すいすい持ち運べそうです.

P1020169


 バリトンは,遅いフレーズも比較的容易に,さまになり,日本一遅いアルトの私にはなかなか良い楽器です.

 低音のサブトーンが難しいですね.マウスピースとリードの組み合わせも重要ですね.

 楽しみ(と苦しみ)が一つ増えました.

ギグバッグには,こんな模様を付けてもらいました.ダイヤモンドというデザインなのですが,一見,唐草模様の様な,,,?

P1020173

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2015年6月10日 (水)

アートペッパーの楽器

 私は,概ね,ジャズを始めた頃から,アートペッパーファンです.

 ちょうどその頃リリースされたレコードは,The Tripです.あちらこちらで喋っていますが,このThe tripは私のバイブルとも言うべきアルバムなのです.だからといって,結果的に演奏スタイルが似ているというわけでは決してありませんが.

 このThe tripが発売されたのが1977年,その前年1976年にLiving Legendが,1978年にNo Limitが,そしてその次にAmong friendsが発売されました.また1978年にはLive at Village Vanguardがリリースされたかと思います.Living Legend, The tripおよびNo limitの3作は1970年代の新しいアートペッパースタイルを代表する作品で,Among Friendsは1950年代に回帰する様なスタイルでした.その後,亡くなる1984年まで,スタヂオ,ライブを含めて,実に多数のアルバムがリリースされました.これらアルバムの演奏スタイルは,新しいスタイルの枠の中に,1950年代の記述が垣間見えると言うようなものだったでしょうか.

 私は,この中でやはり,The tripとLiving Legendがベストで,更に1枚に絞ればLiving Legendが最高の1枚だと思っています.

 この頃はジャズやジャズメンに関する情報はほとんど全て,スイングジャーナル誌と購入レコードのライナーノーツがソースで,アートペッパーに関するニュースや各種基礎的データーもこれらから得ていました.その頃のアートペッパーにはいつもローリーが付き添っていました.彼女は当時の奥様で,マネージャー役を含めて,彼に関する全ての管理をしていたかと思います.

 スイングジャーナル試でみるArtの写真にはいつもLaurieが写っていました.また,この頃のアルバムの写真にもLaurieが写っていました.

 そんなLaurieと先日,メールのやりとりをする機会があり,1970-1980年代のArt Pepperの使用楽器についてうかがうことができました.彼女は実に詳しく把握されていています. 私は,1970年代はSelmer Mk7と以前から,どこかで聞いて信じていましたが,ネットで検索してみると,Selmer Mk7とMk6を含めた諸説が語られています.

 さて,Laurieさんの説明は次のとおりです.

Art Pepper's Saxophones:

BUFFET 21796, 1975-1976
Living Legend (Contemporary)
The Trip (Contemporary
)

SELMER MARK VII 247060, 1976-1979
No Limit (Contemporary)
So In Love (Artist's House)
Among Friends (Trio)
Art Pepper Live at the Village Vanguard (Contemporary) Art Pepper Today (Galaxy)
Straight Life (Galaxy)
Landscape (Galaxy)
Besame Mucho

SELMER MARK VI 109410, 1980-1981
One September Afternoon (Galaxy)
Winter Moon (Galaxy)
Roadgame (Galaxy)
(all Maiden Voyage Recordings - Galaxy)
With Duke Jordan Various
Unreleased Art: Vol I Abashiri WT
Unreleased Art: Vol III Croydon WT
Unreleased Art: Vol V: Stuttgart WT
Ronnie Scott 4 disc set Vol VI WT
Unreleased Art: Vol VII Osaka WT
About half of the Atlas sessions / Various including the two with Sonny Stitt.
Art at Fat Tuesday’s
Neon Art 3 Discs (Omnivore)

SELMER MARK VII TENOR 263731
Art Pepper Live at the Village Vanguard (Contemporary)
Atlas Blues "Blow & Ballade" (Atlas)

 実に明快です.

 なんと,私が最も好きな2枚のアルバムはBuffetなのです.

 時代的に,Super Dina-actionというモデルかと思います.この楽器は,録音をするとなかなかいい音がするのを私は感づいていました.Art PepperはこのころBuffetと契約をしていたようですので,彼の好みにかかわらず,これを使うことが余儀なくされていたのかと思います.

 さて,次のNo LimitやLive at Village VanguardからはSelmer Mk7です.確かにこの頃は,Art Pepperの気力が非常に充実しているらしく,力が入った演奏が多く,音質もやや荒々しいアバンギャルドな印象です.その後,最晩年にはMk6(S/N 10****)になりますがこの時代は,やや落ち着いた印象の演奏になっています.楽器の性格とも併せて納得です.

 楽器の選択は,何を手がかりにしていいのかよく分かりません.いずれにしても大部分のリスナーは気づかない程度の違いかと思いますが,演奏する本人にとっての操作性,音色,リスナー側からの音色等,考え感じることは色々あります.Art Pepper自身は最後に選んだMk6が良いと思っていたのでしょうね.
 

 Artpepperimg_6337

 写真は,これもLaurieが送って下さったもので,ArtがMk6を抱えています.

 蛇足ですが,私は,もっぱら,Artが1950年代の数々の名作を録音したThe Martinです.

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2011年1月 2日 (日)

ハリソン・コピー・リガーチャー

先日の記事に,愛用のハリソン・リガーチャーが壊れたと書きました.

ようやく,新しいものを購入しました.国内で販売されているハリソンは,別のメーカーが作っている復刻版だそうです.いわば,ハリソンのコピー製品でしょうか.Harrison201012194783_2

今回は,少しよけいにお金を出してゴールドプレートを購入したので,まばゆいばかりに輝いています.楽器に取り付けても,ここだけが妙にきらきらしています.

また,以前ものはA2という規格で,メイヤーのマウスピースには少々小さかったので,今回は少し大きめのA3にしました.大きさや形は,メイヤーにぴったりで,とても気持ちが良いです.

形は,本物のハリソンによく似ていますが,何となく,新しい方がゴツイ様な気がします.特に,リードを抑えるH型の部分が,昔のものの方が華奢な感じがするのです.

さて,音色は,うーん,,よく分からないなあ.同じなのかなあ.それとも,ちょっとおとなしい感じかなあ.新しい方が,リッドがしっかり抑えられていて,リードの自由度が少し抑えられているような気がします.気のせいかもしれません.

まあ,大きな不満は感じませんので,これをしばらく使うことにします.

Allmouthpeas201012194789 ふと,我が部屋の棚に目をやると,マウスピースが,結構沢山並んでいます.自分で購入したものの他,中古楽器を購入した際に,同包されていたものも結構あります.マウスピースを沢山買ったという意識は全くないのですが,いつの間にかこんな感じになっていました.いつだったか,サックスプレーヤーではない友人がこの様子をみて,「これは何?」との質問を受けたことがありました.

私がいつも使っている,メイヤー6MMの他に,これに似たものとして,モーガンのものが2本とオットーリンクのラバーがあります.

Mouthpeasfavorite2010121947_2 メイヤー以外の3本は一番左のメイヤーに代わる,あるいはメイヤーを超えることを期待して購入したものです.しかし,いずれも,しばらく使用した後,メイヤーに戻ってしまいました.汚れぐあいからも分かりますように,メイヤー以外の3本の中では,左から2本目の基部に金属が巻いてあるモーガンが結構良かった気がします.Mouthpeasothers201012194788モーガンは1本ずつ製造番号が入っているのも魅力です.

一方,ちょっと珍しいものとして,こんなものがあります.

左から,SML, Brilhart, Martin, Jimmy Dorsey, Selmerです.Selmerは珍しくないですね.

マウスピース基部から覗いた感じでは,Jimmy Dorsey以外はチャンバーが狭く,その音質は,多分,私の好みでは無いと思います.Jimmy Dorseyは期待できそうです.いずれにしても,これらは一度も吹いた記憶がありません.

他にも,コーンのものや,何も書いて無くてメーカー不詳のもの等がありますが,いずれにしても,ラバーのみで,金属製はありません.金属製や,クラウドレイキーのようなものは,私が吹くと,どうも音が細くてダメなのです.

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2010年11月20日 (土)

リガーチャーが壊れた

先日,珍しく,自宅で練習しようと,マウスピースにリードを取り付け,リガーチャーのねじを締めていると,パチン,,と緩くなりました.「あれ,ねじ山がずれたのかな?」と思い,更に締め,とりあえず練習を始めました.

「なんか,鳴りが悪いなあ,,このリード,もうダメになったかなあ,,」「ちょっと,リードの位置,調整してみようかなあ」とリードをみたところ,「やや」,,,なんと愛用の”ハリソン”リガーチャーの1箇所が切れています.

「ガーン,ショックー」,,,

日頃,そんなに強く閉めていたつもりは無いのですが,日々の金属疲労でしょうねえ.

切れた箇所は,確かに,構造的に幅が狭く折り曲げられています.ここには負担がかかるのでしょうね.

ハリソンは,すでにだいぶ前から生産されていないと思います.

Hurrison201011174653新しいのは手に入らないんでしょうね.

仕方がないので,当面,フランソワ・ルイを使いましょう.

こちらも,音質的には満足しているのですが,私のメイヤーには形が今ひとつ合わず,リードを取り付けるのに少し苦労します.

何か,他のものも探してみましょう.

マウスピースを抑える部位のすぐ脇が切れてしまいました.A2です.年季が入ってますね.これ良かったなあ.

先ほど,ネットで検索してみたら,Harrisonのリガーチャー,復刻されてるんですね.良かった良かった.A2はメイヤーには少し小さめだったので,A3を購入してみようかなあ.ネットショップの解説に「繊細なリガーチャーなので,ねじの締めすぎに注意してください」と書いてあります.私は,ゆるめだと思うんだけどなあ,,

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2010年2月 2日 (火)

楽器の音は,1度,5度,-7度,3度で構成されます.

今夜は雪が降って,インダルスの演奏が中止になりました.

自分のサックスの音のスペクトルを録ってみました.

オクターブ上のG(コンサートキーのBb)の音です.

なんと,20000ヘルツを超える領域まで,ピークが等間隔で並んでいます.

周波数で基音の2倍,3倍,4倍と,整数倍の周波数が延々と並びます.

周波数が高くなるに従ってピークの高さは徐々に低くなりますが,そのなかでも高い低いが不規則にあるようです.また,よく見ると,大きなピークの肩や間に小さなピークが隠れているようです.基音の整数倍の周波数のピークが並ぶのは自然の法則で,ピークの高さの不規則さが音の個性になるのでしょう.

各ピークの周波数や,基音に対する倍数,相当する音階等を表にしました.

Spectol

表は,ピークの高さ,つまりエネルギーの大きい順に並べました.

当然基音である470HzのA#(Bb)のピークが圧倒的に大きく,次は,オクターブ上の5度の音でした.ちょうどオクターブ上ではなく5度だというのが意外です.

次は2オクターブ上のルート,4オクターブ上のルート,3オクターブ上のルートと続きます.これも3オクターブ上よりも4オクターブ上の方が大きいのが意外です.

次に3オクターブ上の5度が現れ,続いて3オクターブ上の-7度が現れます.なんと,ルート,5度に続いて-7度が現れるのです.

続いて3オクターブ上の3度ですこの様に同一オクターブや2オクターブ目の音はなかなか現れません.

続いて-5,7,6,2,-2,-3と現れ,しばらくしてから4度,もうしばらくしてから最後に-6度が現れます.

-2度が現れるのは基音に対して5オクターブ上で,4度に至っては6オクターブ上です.5オクターブ上になると,ピークはおおよそ半音ごとに現れるようになり,5オクターブの後半には半音に満たない間隔でピークが現れるようになります.また,音の大きさもこの辺りになると-40db以下となります.従って,この辺りの音は,特定の音階が現れても基音に対する相対的な音階としての特別な意味はなくなり,いわばノイズという方が正しいのでしょう.

つまり,私のBbの音は,1,5,-7,3,-5,7,6,2度を内在しているといえるでしょう.

この中でも-5度以下は,4オクターブ上ですので,本来,この辺りの音は,テンションとしても4オクターブ上でないとしっくりと溶け込まないと言うことでしょうか.-2,-3,4,-6度は問題外の様です.確かに,自然界に-3度の音は無いと聞いたことがあります.

-3度は,マイナー3度として,マイナーコードでは極めて重要な音ですが,やはり,自然界には存在しないと言えるのでしょう.

また,ある楽器の音が他の楽器に比べて相対的に高い場合,どんな音でも違和感なく聞こえると言うことでしょうね.でも,その様な関係で演奏した場合,それはアンサンブルとは言えなくなりますね.

楽器の音質の店から言えば,おそらく基音に対して5オクターブ以上の成分,つまりノイズ成分も重要で,これが多い方が柔らかい暖かみのある音として聞こえるのではないかと思います.

ピーク周波数 Hz 基音に対する倍数   音階 オクターブ 相対音階 エネルギーdb
470 1.0 A#4 1 1 5
1412 3.0 F5 2 5 -5
933 2.0 A#5 2 1 -8
3749 8.0 A#7 4 1 -9
1871 4.0 A#6 3 1 -10
2809 6.0 F7 3 5 -13
3288 7.0 G#7 3 -7 -13
2351 5.0 D7 3 3 -15
680 1.4 F5 1 5 -23
4692 10.0 D8 4 3 -26
5161 11.0 E8 4 -5 -26
7036 15.0 A8 4 7 -29
1629 3.5 G#6 2 -7 -32
5630 12.0 F8 4 5 -32
6099 13.0 G8 4 6 -33
2574 5.5 E7 3 -5 -37
4212 9.0 C8 4 2 -37
6581 14.0 G#8 4 -7 -38
7504 16.0 A#8 5 1 -39
8456 18.0 C9 5 2 -41
7972 17.0 B8 5 -2 -42
8919 19.0 C#9 5 -3 -44
12683 27.0 G9 5 6 -44
13142 28.0 G#9 5 -7 -47
16434 35.0 C10 6 2 -48
9861 21.0 D#9 5 4 -49
14088 30.0 A9 5 7 -51
9380 20.0 D9 5 3 -52
11263 24.0 F9 5 5 -52
13617 29.0 G#9 5 -7 -52
16902 36.0 C10 6 2 -53
12210 26.0 G9 5 6 -55
10325 22.0 E9 5 -5 -56
10813 23.0 E9 5 -5 -57
11744 25.0 F#9 5 -6 -57
14561 31.0 A#9 5 1 -57
15980 34.0 B9 6 -2 -63
15504 33.0 B9 6 -2 -65
15028 32.0 A#9 6 1 -66
17378 37.0 C#10 6 -3
17815 37.9 C#10 6 -3
18285 38.9 D10 6 3
18785 40.0 D10 6 3
19264 41.0 D10 6 3
20200 43.0 D#10 6 4
20613 43.9 E10 6 -5
21111 45.0 E10 6 -5
21593 46.0   E10 6 -5  

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2009年3月14日 (土)

The Martin のオクターブキー / You don't know what love is

The Martin の各キーが軽量に作成されている上に,バネの強さが極限の弱さに設定されています.そのため,キーアクションはすばらしく,私が知る限り,他のいかなるモデルの追随も許しません.セルマー,ヤナギサワ,ヤマハ,いずれも,出荷状態で,バネが非常に強く設定されています.動作を確実にするための選択と思われますが,演奏時は指の動きを確実にすることが求められ,奏者の表現力への力がやや損なわれるのではないかと懸念されます.

その点,The Martinは,演奏時の指の動作へのストレスが極めて小さく,限られた脳資源を他に向けられます.しかし,同時に,バネが弱いため,トラブルも多くなりがちのようです.トーンホールへのパッドの貼り付き等が中心ですが,パッドの汚れや,ロッド可動部の油の固まりコルク等軟物のちょっとした変形などにより,動作が不確実になる可能性が高いようです.

先日,2ヶ月程,他の楽器を使用し,The Martinを放置していたところ,どうもオクターブ上のD-Fの辺りの音が出にくくなりました.しばらく演奏するうちに症状は軽減してきます.この現象は,演奏の都度生じます.オクターブ上(オクターブキーを押した状態)なので,低音パッドからの息漏れではなさそうです.リードのマッチングのマッチングの問題か?

出にくい音はアンブシュアでなんとかごまかしながら出さざるを得ないので,音程や音質に影響し,いずれにしても自分なりに気持ちの良い演奏は出来ません.

昨夜の演奏がさんざんでしたので,今日は,冷静に考えてみました,オクターブ上なのだから,オクターブキーの問題かもしれません.

サックスのオクターブ・ホールは2個開けられていて,管の中央部のGを境として下部ホールと上部ホールが使い分けられます.これはGのキーが押されているか否かで動作するようになっています.

The Martinのオクターブキーの動作を明るいところで良く観察したところ,案の定,Gのキーが押された状態で,本来,下部ホールが開いて上部ホールが閉まるべきところ,上部ホールもわずかに開いています.しばらく演奏しているうちに改善するのは,上部ホールがぬれてきてわずかな隙間が塞がるのでしょう.

2ヶ月間の放置でこうなってしまった原因は,オクターブキーメカニズム全体の油が硬化し,動作がきつくなり,ネックとのリンク箇所が十分に動かず,ちょっとした力で開いてしまうようになったのかもしれません.古い油を除いて新たに注油しましたが,どうも改善しません.仕方がないので,ネックとのリンク箇所のコルクをわずかに削りました.

これで,OKです.吹奏感もおおむね,いつもの感じに戻ったようです.

Octavkey

左から,The Martin(1951), Selmer Super Balnced Action (1948), Selmer Mark VI (1962)です.

The Martinのメカニズムはあっさりしてますね.この傾向はたとえば左手のG#キーなどでも同様の傾向です.メカニズムは単純で,良好な動作を確保するためには微妙な調整を要します.一方,Selmerは,動作ミスが生じにくくするため,より複雑で部品の数が多くなっているようです.Super Balanced ActionとMark VIはよく似ていますが,親指で押して回転させる方向が逆になっています.

ついでですが,左手の親指を当てる箇所がそれぞれ違っているのもおもしろいですね.The Martinは金属,Super Balanced Actionは貝,Mark VI はプラスチックになっています.

オクターブキーのメカニズムは,メーカー,モデルによって違っていています.ネックのオクターブリング(言い方が違うか?)もThe Martin は断面が扁平したロッド状,Super Balanced Actionは断面が円のロッド,MarkVIは断面が四角の切り出したような感じのパーツです.

一般の評価や市場価格はMark VIが圧倒的の様ですが,作りの美しさ,オブジェとしての雰囲気,触った感触は,The Martin やSuoper Balanced Actionの方が上です.時代の違いでしょうねえ.Mark VIももう少し前のものはどうか分かりませんが.

Selmerのコピーモデルのような楽器が全てになってしまった様な現在,Super Balanced Actionがその原型なので,そのフォルムに新鮮さは感じません.発売当時はあこがれの楽器だったんでしょうね.それに対して, The Martinは,おそらくいろいろな形が試されていた頃の一つのフォルムで,現在の私の視覚には新鮮に写ります.

「11YouDontKnowE2.mp3」をダウンロード

You don't know what love is ( @CinCin in 2009/3/13)

直井さんが好きな You don't know..........昨夜の,不調 Martin です.

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2009年1月13日 (火)

Selmer Mark Ⅵ /Gone with the wind

は,基本的に,The Martinと言う楽器を使っていますが,時々,ふと別の楽器も使ってみます.Myselmergprightside数ヶ月前はSelmer Super Balanced Actionという,ややおとなしめの楽器をしばらく使いました.当然,楽器ごとに個性があって,吹き方は変えられないので,リードの調整が必要です.また,しばらく使ってないと,可動部のオイルが硬くなりキーの動きが悪くなったりするらしく,注油したりしながら,何日か吹いていると徐々に楽器に(が)フィットしてきます.

今回は,Selmer Mark Ⅵを使ってみました.これはとても有名な楽器ですが,この楽器はゴールドプレートで,ゴールドの下地に結構厚くシルバーが張られています.多分,シルバープレートとほとんど同じ特性を持っているでしょうね.オクターブキーなど,指の接触が激しく,塗装がはがれている箇所を見ると,ゴールドの層は非常に薄く,ベル等は下地のシルバーの色がかなり出ています.前に使われた方が熱心に磨いたのでしょう.

他にもシルバープレートの楽器を吹いたことがありますが,いずれも印象は良くありません.音質が丸くまとまった感じで,鳴りが良いと言う感じもありません.特性の異なる2種の金属が貼り合わせてありますので,素直に振動しないのではないかという気がするのですが,いかがでしょう.普通のラッカー塗装が,素直で,倍音成分がたくさん出て,表現力の幅が広いと思います.管自体がシルバーで作られたSolid Silverは全く別で,とても良る様です.

ゴールドプレートの輝きは柔らかく暖かく,Myselmergpbellleftsideまたゴールドそのものは経年的に傷まないので,長期間にわたり,美しい輝きが保たれる点で魅力的です.

The Martinのキーは,古いタイプで直線的に配置されているのに対し,Mark Ⅵはオフセット配置で人間工学的に出来ていますが,バネの強さとキーの軽さに関してはThe Martinが上です.Selmerのバネを少し曲げて反発を少し弱くしましたがこの方法には限界があり,バネを変えないと私にとってより良い結果は得られません.セルマー,ヤマハ,ヤナギサワともに,出荷状態でのキーのバネが非常に強く,おそらく動作の確実性を確保するためのものと想像します.私にとっては,それをどこまで弱くできるかと言うところに興味があるのですが.

サックスは,キーによっては複数のキーが関連づけられていて,一つ動かすためにいくつかが同時に動くようになっています.キーアクションの善し悪しには,そのメカニズムや工作精度も関係しますし,キーそのものの重量も関係します.この辺りは,サックス設計上の個性,アイディアの見せ所,,のはずですが,,,最近のサックスはみんな,セルマーのコピーのようになっているようですね.

Markvi200901172632さて,実際の音ですが,マーチンは艶っぽいのに対してこちらは乾いた感じです.倍音成分が少ないまたは周波数の分布域が異なっているのでしょう.

音程のバランスもThe Nartinとは違っていて,慣れが必要です.The Martinは低音部が低い傾向がありますが,こちらはその傾向もなく,多分,全体のバランスはMark Ⅵの方が良いですね.こんな違いも,演奏の印象の違いに反映されるでしょうね.

演奏してから,共演者に尋ねたところ,ほとんどの人は楽器が違っていることにすら気づきません.唯一,30年間一緒にやっているドラマーのM氏が,「(Selmer Mark Ⅵは)よくCDで聞く音だ」と,実に的確なコメントをしてくれました.

なるほど,,

「08GoneWithTheWindE.mp3」をダウンロード

Gone With The Wind  @Indulz in 09/01/07

Mart Ⅵは,飾り気のない素直でプレーヤの息づかいがそのまま反映される音ですね.

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2008年7月14日 (月)

カビとの戦い再び (Will you still be mine?)

び,カビの季節がやってきました.

部屋の中がじわーっとカビの匂いがしています.ベッドに入ると鼻に何か刺激的な匂いのようなものを感じ,むずむずしてきます.サックスと同じロフトに寝ていますので,青カビの胞子が飛びまくっているのでしょうか.あるいは,外からは見えないものの,布団の綿の半分くらいがカビになっているかもしれません.200807121537mushiboshi

この週末は,よく晴れました.布団を干して,サックスのケースも数時間外に出しました.ロフトは薄暗くてよく見えなかったのですが,陽の下に出してみると,いくつかのケースの外側は青カビに覆われています.

昨年は,苦闘の末,とうとうカビキラーを使ったのですが,カビキラーの成分は次亜塩素酸で,使用すると塩素ガスが発生し,楽器本体に悪影響を及ぼしそうです.案の定,昨年は使用後に修理されたキーガードが一つ外れてしまいました.

しばし思案を巡らせた結果,今年はアルコールを使ってみることにしました.

キッチンで使う除菌スプレーです.ホームセンターで購入したものは,アルコールの他にグレープフルーツエキスとお茶の抽出物が含まれているらしいのです.商品の説明によれば,アルコールとグレープフルーツエキスは菌の繁殖とカビの発生を抑え,アルコールは即効性で,グレープフルーツエキスは持続性があるらしいです.また,緑茶エキスは消臭効果を持っているそうです.

うたい文句は申し分ありませんね.

使ってみた感じは,ただのエタノールよりも蒸発が遅くて,使った後の脱水感があまりありません.なかなか良い感じです.

ケースの外側にスプレーして雑巾で拭き取り,カビが内側にも侵入しているものは,内側にもスプレーしました.これで,カビの菌糸や胞子が死に,またカビの餌となる有機物の汚れが落とされたかもしれません.少し様子を見てみます.

とりあえず,今夜は多少気持ちよく眠れるでしょう.

「05WillYouStillBeMineDuo.mp3」をダウンロード

Will you stll be mine? ( @ CinCin in 2008/7/4)

最近演奏の機会が増えているピアノとのDuoは,簡潔で,しかも,良い演奏をすればGroove出来ます

この演奏を含めて,最近,Selmer Super balnced action を使っています.操作性も音も,とても良いですね.

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